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Clang Of The Yankee Reaper [CD]

実は・・・・

今回のVan Dyke Parksの紙ジャケ再発を知ったのは遼さんのブログ「DAYS OF MUSIC & MOVIES」の日記を読んで知った訳でして・・・いろんなコトにかまけて情報収集を怠っっていました(笑)

ヤンキー・リーパー<紙ジャケットCD>

ヤンキー・リーパー<紙ジャケットCD>

  • アーティスト: ヴァン・ダイク・パークス
  • 出版社/メーカー: WARNER MUSIC JAPAN(WP)(M)
  • 発売日: 2007/12/26
  • メディア: CD


遼さんは「Song Cycle」、MASAさんは「Discover America」を中心に書かれているので・・・
私は、そんじゃ「Clang Of The Yankee Reaper」でも書きましょうかね。

そんな訳で紙ジャケ買っていないから、1999年にRYKOからリマスターでボーナストラック付きで再発された「Clang Of The Yankee Reaper」でいきますね。

実は・・・・

Van Dyke Parksをアナログで最初に買ったのがこの「Clang Of The Yankee Reaper」です。
もとろん1975年のオリジナルなんかじゃなく80年代はじめの廉価盤。カット盤の山の中から見つけた1枚。買ったのはいいが、決して真剣に聞いていませんでしたね。

真面目にっていうのも変だけど、再度本腰入れて聴くようになったのは1987年1月号の
レコードコレクターズの「ウエスト・コースト・ロックの源流を探る」と題した
バーバンクサウンド特集が大きなきっかけであります。
ウエスト・コースト・ロックと一言でいっても、自分の得意分野(笑)
正直アサイラム周辺のアーティストでしたので、最初は取っ付きにくいなぁ〜って
感じでしたが、接点を見つけることができました。それは案外多く、
古くはBeau Brummelsであり、PANからの関わりでVal Garayが繋がり、
そしてRandy Meisnerへ。
そんな経緯と同時にあった道筋はLittle Featであったり
Doobie BrothersやRy Cooder・・・そう、ワーナー・ブラザーズ&リプリーズ・・・
すなわちバーバンクな訳です。

この辺りの相関関係書きはじめたらキリがないので・・・・そろそろ本題へ。

67年の「Song Cycle」、72年の「Discover America」そして本作品が発表されたのが1975年。
前作「Discover America」をカリプソのカヴァーのほんわかアルバムと位置付ける方いらっしゃると思いますが、私には実にエキサイティングでパンキッシュな内容だと思えるのですが、いかがでしょう?

確かに権利問題などで叩かれたトラディショナルなカリプソカヴァーは秀逸です。
しかしストリングスを全面に押し出した「The Four Mills Brothers」なんて
「なんでこんな弦が攻撃的なんだぁ!」ってゾッくとさせられるナンバーが出て来たり「Occapella」や「Sailin' Shoes」が出て来たり。
ほんわかなんかじゃ括れない・・・・
LA、ニューオリンズ、トリニダートトバコのごった煮状態(ガンボ?)
ジャケットの長岡秀星が描いたバスの意味も需要なわけですよね。

あ〜また脱線だ。

それじゃ「Clang Of The Yankee Reaper」行きます。(ホントかよ!)

前作との切り口の大きな違いは、もっと大きい意味でのカリビアンミュージックを
消化したことだと思います。キラキラした管楽器と洒落たオーケストラの女性コーラス。
アルバムタイトルである「Clang Of The Yankee Reaper」はVan Dykeの自作。
このアレンジと音の重ね方は「Discover America」じゃなく「Song Cycle」に
系統が近いのかも知れませんね。
「You're A Real Sweetheart」も同様ですが。ピアノが力強い。
重厚でいながら、イントロで響く口笛は少し悲しげ。タイトルだって直訳すれば・・・
「ヤンキーの刈り取りったあとの響き」みたいなことでしょ?

このアルバムは本当は「A面」「B面」というアナログ的な聞き方が合っているので、CDで聴く時もそこいらを意識して聴いて見るとより楽しめるアルバムだと思います。

1曲目の重厚な「Clang Of The Yankee Reaper」からはじまり、
2〜4曲目まで比較的テンポの緩いナンバーが続き、A面を締めくくるのがバーバンクっぽい
「You're A Real Sweetheart」ここでまず一括り。
そしてB面の「Love Is The Answer」から「Soul Train」までは
ブラスとスティールドラムを全面に押し出したカリビアンワールド。
アップテンポな熱気ムンムンサウンドが続く訳で・・・

そしてB面の最後というか、アルバムを締めくくるのが「Cannon In D」
このアレンジはその後の多くのアレンジャーやミュージシャンに多大な影響与えたのは
間違いなし。
「Cannon=大砲」アメリカの侵略の歴史を壮大なアレンジで皮肉としたかったのか、
今迄の自己への決別なのか・・・

その後84年の「Jump !」までオリジナルアルバムは作られていません。
「Jump !」で聴かせてくれたのはアメリカの原風景のような世界(もちろん白人目線であるが)
これは後年のブライアン・ウィルソンとの共作「Orange Crate Art」へと繋がることとなります。
(トミー・モーガンのハーモニカが最高)
ブライアンもヴァン・ダイクもガーシュインの描いたアメリカの原風景が根底にあったのは間違いないところでしょうね。


日本公演のフライヤー

このRYKOのCDに入っているボーナストラック
「Amazing Grace (Slow Version)」と「Amazing Grace (Toe-Tapper)」は余計ものです。

壮大な自虐「Cannon In D」で終わる、現行品をおすすめします。


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MASA

こりゃやっぱり買わなあきまへんな(笑)。
リマスターCDが出たときは1枚も買わなかったし、なぜかこのアルバムには縁がなくって。
今度紙ジャケ買って来ます。

ところで新しいHMはやっぱりPETTY BOOKAからですか?
by MASA (2007-12-30 20:54) 

AKIRA

MASAさん
いらっしゃいまし。
さっきタワー言って「Jump !」買って来ました!
PETTYは・・・・PETTY BOOKAのようでありTOM PETTYのようでもあり・・・・ま、そんなとこでしょうか?
そんな訳で今後とも宜しくお願いしますね。
by AKIRA (2007-12-30 21:29) 

parlophone

PETTYさん、詳しいご紹介ありがとうございました。

う~ん、2nd も3rd も気になりますね~。
予算の関係でどちらか1枚…という感じなんですが…。
困りました^^;
by parlophone (2007-12-30 21:55) 

AKIRA

遼さん、いらっしゃいませ。
キャラは変わっても相変わらずのダラダラ説明ですみません。
2ndあっての3rdってことろもありますからね〜。
この際「Jump !」までまとめて3枚買いなんてのはどうでしょう?
by AKIRA (2007-12-30 22:12) 

ベアトラック

このLPは持っていますが、もう随分と聴いていないですねぇ(苦笑)
よいお年をお迎え下さい。新年もどうぞよろしくお願い致します。
by ベアトラック (2007-12-31 09:27) 

AKIRA

お〜!アナログをお持ちでしたか!ベアトラック様、この機会に紙ジャケを買われるのもいいかもしれませんね。滑り込みセーフ?で登場ですが、来年も仲良くしてください。それではよいお年を!
by AKIRA (2007-12-31 11:17) 

derosa84

あけましておめでとうございます。
一足先に新しく生まれ変わったPETTYさん!
今年も宜しくお願いします。
by derosa84 (2008-01-01 00:36) 

AKIRA

derosa84さま
新年あけましておめでとうございます。
年男でございます。
今年も宜しくお願いいたします。
by AKIRA (2008-01-01 00:39) 

ベアトラック

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は、ありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
by ベアトラック (2008-01-02 15:13) 

ベアトラック

奥さんです、あけおめ~~♪
新年早々、数の子食べちゃった・・・
そんなに嫌じゃなかった・・・美味しくもなかったけど。

あの~、今月の29日に、ちょっとした用事で新潟にいくんですが、
もしご都合がよろしければ、ランチデートでもいたしませんか?
クロウさんちにも、ナンパしにいってきま~す。
by ベアトラック (2008-01-02 15:30) 

AKIRA

ベアトラックご夫妻!明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。29日空けておけるよう調整しておきます。美味しいものでも食べませう。
by AKIRA (2008-01-02 21:31) 

ベアトラック

milk_teaさんのところへダッシュ!!
by ベアトラック (2008-01-03 14:55) 

バックストリート

はじめまして、MASAさんのブログから辿り着きました。ヴァン・ダイク・パークスのボーナス・トラック入りの「ヤンキー・リーパー」をお持ちとは羨ましいですね。私は中学生の頃にヴァン・ダイクに興味を持ち始めたのですが、レッド・ゼッペリンやディープ・パープルが全盛だった当時は「ムード音楽を聞いててどないするんや」と馬鹿にされたものです。良い時代になりマしたね。でも、YMO結成以前の細野晴臣氏が「はっぴえんどのプロデュースを手伝ってもらったんだけど、アーティストしては最高でも人間性は最低だったよ」との趣旨のインタビューをラジオで聞いて落胆したものです。ボートラの「アメイジング・グレイス」は白人の奴隷商人が悔い改める歌ですが、何となく似合っていそうですね。
by バックストリート (2008-01-06 12:29) 

AKIRA

バックストリートさま
はじめまして!
「アメイジング・グレイス」の解釈から言えば・・・このアルバムのボーナストラックとしてはまさにハマる感はありますね。
自分自身とアメリカを告発し、自虐的な終焉で終わりたかったのでオリジナルは「Cannon In D」で良かったのでしょうけど。
しかし・・・この「アメイジング・グレイス」の2ヴァージョンはRYKOのCDのみ収録なので、貴重と言えば貴重ですね。
同じくRYKOから同時に出た2枚にもシングルのみのリリースだったボーナスが入っています。
by AKIRA (2008-01-06 13:38) 

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