SSブログ
- | 次の10件

ようやく購入「UNDER THE COVERS」 [DVD]

1997年のことだったと思う。

自宅でインターネットを始めた年だ。

14400bpsのアナログモデムで、5回に1回くらいしか回線が繋がらない・・・そんな時代。

EAGLESを検索していた時に、とんでもないモノを見つけた。

box.png

「 UNDER THE COVERS」と題されたCD-ROM。

DVDじゃないんですよ(笑) CD-ROMなんです。

写真家Henry Diltzとアートディレクターでグラフィックデザイナーとして、

グラミー賞にもノミネートされたことのあるGary Burdenが手がけた数々のレコードジャケットアートを

Glenn FreyやDon Henleyの1996年当時のインタビューを交えて、

若干のムービーと静止画のスライドショーで時代を振返る・・・そんな内容だった。

当時、パソコンでHenry Diltzの写真が見れることに感激したものだ。

内容はCD-ROMの収録容量を考えれば・・・(今にして思えばだけどね。)充分なモノだった。


時は流れて・・・・

2002年、同タイトルのDVDが発売された。

てっきり「あ〜・・あのCDがDVDになったのね。」なんて思っていた。

数年後、友人クロウポイントさんがDVD版「UNDER THE COVERS」を入手。


それはウエストコーストミュージックファンには、驚愕の内容に変わっていた。

あのCD-ROMが伝えたかったことが解らなくなるくらい。

新たに追加された内容の方が多く、それによって初めてアノCD-ROMの趣旨が解った感じ。


アメリカ盤しかなく、クロウさんからビデオに落としてもらったもので楽しんでいたが、

既に廃盤だし、そろそろ買っておかないとマズいことになりそうな予感もあって、

ついに購入。いつでも買えると思っていると途端と入手不可能なんてこと

数多く経験でしてるからなぁ〜。


Under the Covers

Under the Covers

  • 出版社/メーカー: Lightyear
  • メディア: DVD




こんなパッケージです。
CIMG4187.png
はい。「紙です!」初期の輸入DVDには結構この形態あったなぁ〜。

中を開けると・・・
CIMG4193.png
CIMG4192.png
小さいモノクロ写真だが、Henry Diltzの作品が沢山載っています。

CIMG4190.png
裏にはコンテンツ内容が。


この内容を全て紹介してたら・・・えらいことになりそうなので、3つのコンテンツを紹介します。基本的な内容は、Henry DiltzとGary Burdenの二人の時代の生き証人が、歴史に残る名盤のジャケットが何処で・・・どんな過程で生まれたかをアーティストと共に懐かしんだり、目からウロコの謎があきらかになったり・・・そして当時のプライベートな8ミリ映像(これが凄い!)などを交えて、ウエストハリウッド周辺やローレルキャニオン、トパンガキャニオンをポルシェで巡る。そんな内容であります。

0001.PNG
さ〜はじまりはじまり。

それでも写真が多いので、4枚まとめて1枚とかも今回は多いので・・・(笑)


0000.PNG
Gary Burdenの運転するシルバーのロードスターから始まる。不良老人全開である。

0002.PNG
Gary BurdenによるCSN&YのCDジャケットのラフスケッチ。
こんなラフから練り込まれ、歴史に残る作品が生まれるのだ。これ感動的だなぁ。

0003.PNG
最初に登場した「隣人」はママキャス。3人のショットが物語るように、
他のミュージシャンもそうだが、関係が「友人」なのだ。
ミュージシャンがいて、デザイナーとカメラマンがいる・・・
そんな構造はここ(ローレルキャニオン)では無し。
クリエイター同士が同じ時間を共通し、楽しみ、そしてその結果
素晴らしい作品が生まれるのだ。


CS&N/same

0004.PNG
メンバーのインタビューを交えてストーリーは展開して行く。
ドライブの途中にメンバーの家を訪問し、当時を振返る。

0005.PNG
歴史的名盤「CS&N」の撮影秘話が語られる。
あのカウチが外に置かれた撮影現場を探す2人。

ここには写真を載せていないが、ジョニとグレアムが車の中で寄り添っている写真がある。 これ・・2人だけかと思っていたら、なんとジョニの右隣にはデヴィッド・クロスビーが居て、向かい側にカメラマンHenry Diltz とディレクターGary Burdenの姿が。運転手は・・なんとスティルスであった。



JACKSON BROWNE/same


0006.PNG
ジャクソン・ブラウン

0007.PNG
自分のファーストアルバムを持ちながら、当時を3人で懐かしむ。
級友との再会を楽しむジャクソンの表情がいい。

アルバムジャケットが麻のラジエターバッグにジャクソンの顔を2階調にしシルク印刷し、そこに刷られた文字「Saturate Before Using」を後年アルバムタイトルと勘違いされることが多く CDに至っては、背に「Saturate Before Using」と入っている。これにはディレクターGary Burdenも苦笑。

0009.PNG
ウォーターサーバーのタンクが装着される。
最初なぜ、この場でタンクをセットするのだろうと解らなかったが・・・・・

00010.PNG
これは目からウロコモノであった。

USのオリジナル盤をお持ちの方ならお解りだろうが、中袋が水がブクブクそている写真が使われていた。
ずっと意味が解らなく、クロウポイントさんとも「ブクブク」と呼んでいたソレはの正体はこれだったのだ。
長年の謎が解けた瞬間である。


EAGLES/same


00011.PNG
EAGLESの1stアルバムの撮影には様々逸話が以前からあったが、その殆どが真実であると確信しました。暗くなってからトパンガキャニオンに撮影クルーとEAGLESは向かった。キャニオンではペヨーテ(サボテンの一種)をお茶にして飲み、出し殻を噛みハイに。パカロロも(笑)そしてキャニオンで焚き火をし、野宿。そして朝撮影。まだ朦朧とした状態で撮影は続く。


00012.PNG
そしてここでGary Burdenのグラフィックの説明が入る。

USオリジナルのダブルジャケットの内側を見ると何故か野宿をしている写真が逆。
東芝盤の場合は開いた時、正しい方向になっているのだが・・・
間違えてジャケットを作ったのは東芝だった。

00013.PNG
このジャケット・・・絶対やってみようとは思わないが、ボンドを剥がし、表と中を広げて1枚にした時、
このジャケットの意味がわかる。
詳しい意味を忘れたのが残念ですが・・・
今度調べておきます。

こんな感じでいろんな「謎解き」もできるこのDVD・・・

他にもホント盛りだくさん過ぎて紹介しきれません。

これを見てしまうとさらに深い森に入ってしまいますが、知って損することは無し。

2002年に発売され、廃盤になってから数年。

再発の可能性は・・・どうでしょう。

国内盤の期待は出来ないし。

中古が市場にある今がチャンスでっせ。



CALIFORNIA DREAMING BY HENRY DILTZ [豪華本]

mori01png.png

7月22日のLove Hurts「別館」でリンダ・マッカートニーの写真集

「SIXTIES」について触れたからには・・・・

どうしても避けて通れない道(何処が?)がHENRY DILTZだ。

HENRY DILTZの話だと・・・「別館」じゃなく「本館」かな?・・なんて

勝手にカテゴライズしてしまいました(笑)

Wikipediaから簡単なプロフィールを拾いますと・・・

Henry Stanford Diltzは1938年にKansas Cityで生まれる。
MFQ(モダン・フォーク・クァルテット)のメンバーであり、60年代から趣味で始めた写真が、その後の人生を大きく変えた。ミュージャン仲間のスナップが評判になり、ミュージシャンから指定されるミュージシャン兼カメラマンとなったHenryがモンタレーやウッドストックの公式カメラマンとなり、その後数々のレコードジャケットの写真を撮影することになる。特に60年代終末から70年代のLA周辺のアーティストのアルバムカヴァーは歴史に残る者ばかり。

こんな簡単な紹介でいいのかなぁ・・・

2007年、そんな HENRY DILTZの集大成的写真集が英国のGenesis出版より発売された。

その名も「CALIFORNIA DREAMING」ベタなタイトルだなぁ〜って一瞬思いますが、

HENRY DILTZの足跡はまさにCALIFORNIAのミュージシャン達の成功の足跡でもあり、

ベタなんだけどこんなにしっくりくるタイトルも無いだろう。

Genesis出版と言えば・・・小部数を最終的には職人が仕上げる「豪華本」で有名。

今回の「CALIFORNIA DREAMING」も受注生産の2000冊のDELUXE EDITIONと
edition2b.png
edition1b.png

同じく2000冊だが、一般書店(海外など)でも販売されるLIMITED EDITIONの2種類。
deluxe1b.png

値段聞いて・・・驚く人は驚いてください。

DELUXE EDITION・・・£595(日本円で約130000円) LIMITED EDITION・・・ £250 (55000円)

なんとLIMITED EDITIONは日本のamazonからも買える(笑)


California Dreaming

California Dreaming

  • 作者: Henry Diltz
  • 出版社/メーカー: Genesis Publications
  • 発売日: 2007/11/01
  • メディア: 革装本



amazonと言えば・・・2006年、ソネブロを始めたころに、

HENRY DILTZの写真集「Rock on: The Photographs」の発売告知があり、

すぐさま予約を入れた。あれからいったい何回発売延期を繰り返しただろう・・・・

最近のamazonのニュースレターでは発売日: 2008/08/30と出ている。

(7/27追記)

朝、amazonよりメールがあり、今回はどうやら本当に発売されるらしいです。2006年7月16日に予約入れてから・・・2年。この発売の遅れは・・・・Genesis出版の豪華本の出版と関係ありそうだなぁ〜。どうしても先にGenesis出版から出す必要があったのでしょうね。「MORRISONHOTEL GALLERY」とGenesis出版自体がタイアップしているようだし・・・儲かる方を先にやりたかったのかなぁ〜・・・なんて思ってしまいます。


Henry Diltz: Rock on: The Photographs

Henry Diltz: Rock on: The Photographs

  • 作者: Henry Diltz
  • 出版社/メーカー: Steidl
  • 発売日: 2008/08/30
  • メディア: ハードカバー



ほんとかなぁ・・・2年も予約しっぱなしなんだけどなぁ・・・

以前、日本でもHENRY DILTZの写真集が発売されたことがある。

1990年スイッチ・コーポレイション(扶桑社)から発売されたのがコレ。

CIMG4083.png

「THE INNOCENT AGE 〜素顔の隣人たち〜」

1967年から1989年までのHENRY DILTZの隣人たちを見ることができる。

このモノクロの写真集は日本企画で作られたもので、洋書等でも見た事の無い写真に発売当時驚愕。

今回紹介している「CALIFORNIA DREAMING」にもこの「〜素顔の隣人たち〜」に収められたものの

別アングルがあったり、カラーヴァージョンがあったり・・・

これはウエストコーストミュージック好きにはたまらない。興奮ですわ。

ウエストコーストだけじゃない。

こんな凄いショットもある。

PB_17.png
ジョージとパティ・ボイドだ。まるでプライベートフォト。彼らも「隣人」なのだ。



本当に欲しい。「CALIFORNIA DREAMING 」ではあるが・・・買える金額ではない。

そこで嬉しいのがGenesis出版のホームページ。

こののホームページ見るだけでも結構ワクワクするので・・

ちょっと紹介しますね。

0002.png
このトップ画面は一番上のドアーズの時とイーグルスの時がある。
ドアーズは「モリスンホテル」のフォトセッション。
イーグルスはファーストアルバムのフォトセッションから
ご存知方はご存知だと思うが、イーグルスのこの写真・・・
国内盤の裏ジャケのアウトショットだが・・・
一晩中「ペヨーテ茶」を飲んで・・・キメて・・・そして朝焼けの
シューティング!皆さん完全に目がいっちゃってます。

トップ頁の上のバーに「1966」「1975」「2007」とボタンがあり・・・

「1966」クリックで
ピクチャ 3.png
こんな画面へ。それぞれの写真もクリックできます。
004.png
0005.png
これは「LATE FOR THE SKY」のジャケットになったかも知れないショット。

「1975」では・・・・
0014.png
ピクチャ 10.png
ジョニ・ミッチェルとデヴィッド・クロスビー
しかし本当は・・・・もう1人います。
0000017.png
クリーム解散後のエリックです。
完全に座った目で彼はカリフォルニアの空の下・・・何を思っていたのか・・

007.png
イーグルスのセカンドアルバム「ならず者」のカヴァー撮影のセッション。
この時、16ミリフィルムも撮影されていて、非常にドラマチックなシーンに仕上がっている。

「2007」をクリック。
0013.png

別館で紹介したこんな写真も。
0012.png


JTの・・・このアングルは珍しい。
0011.png

こんな具合に結構いろんな貴重な写真をみることができる。


でもやっぱ「豪華本」で欲しいなぁ。  無理だなぁ。


オマケ

ここも凄いよ。

MORRISONHOTEL GALLERY

http://www.morrisonhotelgallery.com/

ここのサイトでは・・・実店舗がLA等にある「MORRISONHOTEL GALLERY」のWEB版。

Neil_Young_haystack.png

良い写真が満載だぁぁぁ。欲しい。

印刷ではない「オリジナルのプリント」が買える。しかし高い(笑)

ここで大量のサムネールと、サンプルが見れる。




一度ご覧あれ。


PACIFIC PARADISE [アナログ盤]

2009011.png

このアルバム「太平洋パラダイス(PACIFIC PARADISE)」が発売されて25年になる。1983年のことだ。

随分時間が経ってしまった事を思うと・・・歳取ったなぁ〜って痛感しますね。

CIMG3560.png
表ジャケット。コンセプトはフリーペーパー。

いろいろ細かく調べようと思ったのだが、25年も前の話だし・・・
このレコードの話題すらネット上では見つからない。
自分の記憶の範囲でしか紹介できませんが、お付き合いください。

CIMG3561.png
裏ジャケット。参加ミュージシャンの写真とスタッフも・・・

このレコードが制作された経緯を考えると・・・
当時としては結構大きなプロジェクトで、斬新な「企画モノ」だったと思う。

発売は前述の通り1893年。
CBSソニーからのリリース。
近年よくある日本サイドで企画されたコンピと大きく異なるのが、
「全て、新録音のオリジナル」であること。

80年代以降、日本で企画され海外の著名なアーティストによる 日本人のカヴァー集のようなものとは訳が違うのだ。
参加アーティストも誰でも知っているビッグネームではなく・・・
知らない人にはまったく興味を魅かないメンツである。

反面、ハワイアンミュージックや、当時「サーフロック」などと言われたジャンルが
大好きな人には「信じられない」内容の濃さである。

参加ミュージシャン(収録順)
CIMG3565.png

●マッキー・フェアリー
●デニス・グラウ
●カポノ・ビーマー
●ブラザー・ノーランド
●ヘンリー・カポノ
●マラニ・ビリュー

マッキー・フェアリーとマラニ・ビリューは元カラパナのメンバー。
カポノ・ビーマーは、ビッグウエンズデーのサントラの話にも出た
ケオラ&カポノ・ビーマー
ヘンリー・カポノは70年代のハワイを代表するデュオ、セシリオ&カポノ
ブラザー・ノーランドは日本での知名度こそ低いが、
早くからレゲイやスカなどの音楽を取り入れ、
ジャワイアンやジャムバンドの構築を独自に築いたプレイヤーだ。

このメンツ、接点がありそうで以外に無いのがおもしろい。組み合わせが妙だから
下手したら散漫な企画倒れに終わりそうであるが・・・・
ここにも大きな仕掛けがあり、重要なキーマンが2人いる。それが・・・
カマサミ・コングとニック・カトウである。

カマサミ・コングと聞いて懐かしいって思ったお父さんやお母さん!そう「KIKI」なんですよ。

彼は元々オハイオ出身のDJで76年からハワイのAM局「KIKI」で人気DJとなる。
なんと今は日本に住んでいるらしい。
そんなカマサミ・コングの軽快なDJが曲を繋ぐ。
かれはこのLPのなかで余すところなくハワイの魅力を細かく紹介している。
観光ガイドのように・・・

そしてもう一人がニックカトウである。
1973年よりハワイに住み、フォトグラファーの傍ら、ヘンリー・カポノやピーター・ムーンバンドの制作にも関わるレコード会社も経営。
日本の出版社から写真集「MY HAWAII」を発売。1983年のことだ。

そうなんです。レコード会社に出版社、ハワイの観光局、航空会社等で一丸となり
ハワイ観光をアピールする「宣材」の要素もあったのです。
しかし、そんなことを感じさせない新録音の新曲はどれも光輝いています。

アルバムは・・・・
CIMG3570.png
こんなコンセプトで分けられています。

全部紹介しても音源が誰も知らないのが辛いので(笑) 数曲ピックアップします。

A-1
マッキー・フェアリー「グッドタイムス・バッドタイムス」
オープニングをコングの軽快な喋りとともにつとめるマッキー。
良質なAORナンバーだ。(AORと言っていいのか疑問だか)
カラパナの運命はサーフィン映画のタイトル曲によって決定づけられた
「サーフ・ロック」のイメージが強いが、志は高かった。
昼間の太陽を連想させるものより、ムードのあるナンバーが多かったのも
方向性を物語っていると思う。
マッキー・フェアリーは1999年、ドラッグの常習で収監されていた
刑務所で自らの命を絶っている。残念な話だ。

A-3
カポノ・ビーマー「パイプライン」
80年代に入ってから兄弟は進む方向性が変ったのか、単独活動が多くなります。
兄のケオラは伝統的なスラックキーギターと共に、あの独特の甘い声を活かした
歌モノ中心になり、弟のカポノはスラックキーを活かしつつも、よりグローヴァルな
世界へ・・・どちらかと言えがイージーリスニングっぽくなったかな?
ゴンチチみたいな感じとでも言ったらいいのかな?
しかし、ビーマー一族に伝わる伝統のフレーズはキチンと弾いています。

B-1
ブラザー・ノーランド「ココナッツ・ガール」
最初に聴いた時は違和感ありましたね。ハワイの匂いがしない・・・なんてね。
しかし、これが当時最もクールは「ジャワイアン」だったわけで。
リズムは完全にウラですし、歌い方にも毒があった。
B面のラストを飾る名曲と同じ人間が歌っているとは思えなかった。

B-3
マラニ・ビリュー「ソー・ロンク・トゥ・ザ・シティ」
タイトル通り、センチメンタルな名曲である。ある種ビーマーズの
「ホノルル・シティ・ライツ」にも通じるものを感じる。
ハワイという観光地は・・・一種独特の去り難さがあるような気がします。
滞在日数に関わらず、訪れた人をセンチメンタルにしてしまう島。
そして「SO LONG」と言いたくなる・・・
そんな魅力がハワイにはあると思うのですが・・・
前述の通りマラニ・ビリューはマッキー・フェアリーと共にカラパナのオリジナルメンバー。
名曲「メニィー・クラシック・モーメンツ」のヴォーカルも彼である。
ビジュアル的にもマッキーの方が表に出がちだが、本当の意味でカラパナサウンドを
支えていたのは間違いなくマラニ・ビリューであろう。

B-5
ブラザー・ノーランド「ララバイ」
このアルバムを締めくくるのがB-1でジャワイアンを聴かせた
ブラザー・ノーランド。ここではまるで女性のような・・・優しい声で
家族の愛情の細やかさを歌っている。何気ないハワイの日常なんだろうけど
あたたかい歌だ。

ここでアルバムは終わる。

CIMG3567.png
ライナーノート
CIMG3568.png
CIMG3569.png
キレイな写真集になっている。
ここで紹介されている写真は前述のニックカトウ写真集「MY HAWAII」からの抜粋。

CIMG3571.png
こんなシールのオマケも!

企画盤の宿命かもしれないが、25年経った今日までこのレコードはCD化されていない。残念なことにほぼ全曲がこのアルバムのための書き下ろしであるため、個々のアーティストのCDでも聴くことが出来ない。 マッキー・フェアリーの「グッド・タイムス・バッド・タイムス」のみ、後発のハワイアンAORコンピ(もちろん日本企画)には収録されたことがあった。 私は特に・・・マラニ・ビリューの「ソー・ロンク・トゥ・ザ・シティ」に思い入れがあったので ホノルルのオンラインショップなどマラニ・ビリューの名前で引っかかるCD探しまくったがやはり無かった。幸運なコトにブラザー・ノーランドは同83年に発売された彼のアルバムに「ココナッツ・ガール」と 「ララバイ(リトル・ララバイと曲名が変っているが)」が納められている。しかし。2曲ともこの「太平洋パラダイス」とはヴァージョンが違う。これは驚きました。


Greatest Hits

Greatest Hits

  • アーティスト: Brother Noland
  • 出版社/メーカー: Mountain Apple
  • 発売日: 1995/03/14
  • メディア: CD



こんな・・・いわば幻の名盤的なアルバムにも関わらず、評価・知名度共に低い。低過ぎる。 このあと、気を良くして「太平洋パラダイス2」も発売。(これは持っていません) その後、同シリーズとしてマッキーのソロとヘンリー・カポノの「コナウインズ」が発売された。
CIMG3572.png



しかし・・・どのアルバムもプロモーション不足なのか・・過小評価されてしまったのか まったくもって抹殺されたも同然。 アメリカンのロック、AORは好きで詳しいけど、ハワイ関係はまったく知らないって人が多いと思いますが、「ハワイ」という垣根やイメージを一度取っ払って・・・ハワイ出身のアーティスト聴いてみてはどうでしょうか?思わぬ発見がそこにはありかもしれません。

現在簡単に手に入るモノで、聴いて損は無い(私の主観ですけど・・・)ハワイ出身アーティストのアルバムを何枚か紹介して終わりたいと思います。

Thank You! MAHALO!



カラパナI(K2HD/紙ジャケット仕様)

カラパナI(K2HD/紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: カラパナ
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2006/02/18
  • メディア: CD




エルア(紙ジャケット仕様)

エルア(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: セシリオ&カポノ
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2006/10/18
  • メディア: CD




Great Grandmother Great Grandson

Great Grandmother Great Grandson

  • アーティスト: Kapono Beamer
  • 出版社/メーカー: Orchard
  • 発売日: 2003/03/05
  • メディア: CD




マッキー・フェアリー・バンド

マッキー・フェアリー・バンド

  • アーティスト: マッキー・フェアリー・バンド
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2002/07/31
  • メディア: CD






BIG WEDNESDAYのサントラを聴く。 [CD]



しかしまぁ、いろんなCDの買い逃しをしているが、正直コレは凹んでしまいました。

こんなサントラ盤がこっそり発売されていたなんて・・・

CIMG3204.gif
Big Wednesday [Original Motion Picture Soundtrack]



それも2005年です。私が情報見逃していただけかもしれないんだけど。

奇蹟のステレオ「マルチトラック」ミックスダウンされたものに加え、映画では実際使用されず
「お蔵入り」となった音源ソースをボーナストラックとして新たにリミックス。
言わばコンプリートなビッグ・ウェンズデーのサウンドトラックと言えるでしょう。

限定3000枚のプレスです。

様々な映画のサウンドトラックのスコアを発掘、CD化することで高く評価をされている
『Film Score Monthly』のシルバー・エイジ・クラシックスシリーズ。

実は・・・映画公開時からこの映画のサントラをチマナコになって探していましたが
発見することが出来ませんでした。それもそのはず・・・・

サントラはこのCDが出るまでの27年間、一度も発売されていなかった!(多分)

調べたところによれば、現存するマスター(マルチトラックではなく)が外部に流出。
海賊盤として密かに愛されていたとか、いないとか・・・(笑)

サントラ盤には、おおむね2通りあって、
映画で流れる様々な曲(既存、新曲問わずオムニバス的な)を中心としたものと、
その映画のために書かれたスコアで構成される・・・

そう、ジョン・ウィリアムズのスター・ウォーズのサントラみたいな。
この『BIG WEDNESDAY』のサウンドトラックは後者の方です。

スコアを書いたのはベイジル・ポールドゥリス

CIMG3205.gif



Big Wednesday [Original Motion Picture Soundtrack]

Big Wednesday [Original Motion Picture Soundtrack]

  • アーティスト: Denny / Pritchard, Phil Aaberg,Stephen Lee / Jackson, Al Jr. / Jones, Booker T. Cooper,Basil Poledouris,Basil Poledouris,Louise Di Tullio,Denny Aaberg,Kapono Beamer,Keola Beamer
  • 出版社/メーカー: FSM
  • 発売日: 2005/01/11
  • メディア: CD



DVDのオープニングのテロップより。
CIMG3185.gif

ベイジル・ポールドゥリスは『コナン・ザ・グレイト』、『青い珊瑚礁』、『ラッシー』などなど

様々なハリウッド映画のスコアを書いた方。『BIG WEDNESDAY』のスコアは
彼のデビュー作になります。

CIMG3196.gif
CIMG3197.gif

これはDVDの特典映像として監督ジョン・ミリアスが解説をしているシーン。
2人は大学時代からの親友で、学生時代にミリアスはベイジル・ポールドゥリスの
才能を見抜いていたそうです。

このサウンドトラックの素晴らしい特徴として・・・
壮大で感動的な交響曲を中心に構成されたスコアにポリネシアンな味を加えている事。

そうです。KEORA&KAPONO BEAMERのスラックキーとヴォーカルを採用したことです。

全編に渡りキーポイントとなるのが彼らの1978年の最高傑作アルバム
『HONOLULU CITY LIGHTS』にも収録されている『ONLY GOOD TIME』
サブタイトルが『THREE FRINDS THEME』というこの曲のメロディーが

随処に登場します。時に明るく、そして時には物悲しく・・・
3人の若者が人間として成長して行く過程での様々なシーンで出てきます。

『HONOLULU CITY LIGHTS』のアルバムジャケット。
CIMG3207.gif
同じく裏面のクレジット。
CIMG3210.gif

映画のエンドロール
CIMG3202.gif
CIMG3195.gif

もう1曲この『HONOLULU CITY LIGHTS』に収録されている『Kaliponi Slack Key』も
映画の中で効果的に使われていますが、2曲ともこのサントラ(映画に使用された)
ヴァージョンと『HONOLULU CITY LIGHTS』収録のヴァージョンは異なります。
あくまでも映画での作品がファーストレコーディングであることがこのサントラを聴いて
よく解りました。最初は『HONOLULU CITY LIGHTS』先攻かと思っていましたが・・・

映画の中でフェードアウトされた曲もこのサントラではフルバージョン聴くことが出来き、
このスコアの完成度の高さには改めて驚愕・・・こんな素晴らしいサントラが

僅か3000枚限定というのは、嬉しいような残念な枚数です。

70年代末にこの映画を見てた人、またはビデオ&DVD化で初体験した人・・・様々な
感想や思いがあると思います。

あのシーンで背景に流れていたあのメロディーが忘れられないって人も多いのでは。
私もそんな一人。

存在もしなかったサントラを探しまくった20代・・・

ビデオ発売でまた熱くなり、そしてDVDでまた改めて感動し・・・
そしてサントラと出会う。

映画の内容自体に感じる思いも、10代の私から40代後半へ成長?した私ではまったく違う感覚で
この映画に感じています。


ビッグ・ウェンズデー

ビッグ・ウェンズデー

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD




10代では・・・理解できなかった友情の本当の価値観、大人になることの難しさ、夫婦愛、先人を尊敬する心と、尊敬されることの重圧など・・・いろんなことがこの30年で解った・・・つもりです。

次回はもう少し詳しく様々なシーンを演出した楽曲について書きたいと思います。

最後にサントラ収録のナンバーを紹介します。

Track Listings
1. South Swell (Passing of the Years I)/Main Title(March of the Hawaiian)
2. Matt Surfs/Kaliponi Slack Key/Bear's Shack
3. Bear's Story
4. Golondrina
5. Passing of the Years II
6. You Oughta Know What I Mean, Bear
7. Bear's Wedding
8. Crumple Car - Denny Aaberg
9. Preparation March
10. Jack Surfs Alone
11. Aloha, Jack
12. Passing of the Years III
13. Summerset
14. Liquid Dreams
15. Jack's Back
16. Jack's Back, Pt. 2
17. Cemetery
18. Passing of the Years IV
19. Bear's Wharf
20. Matt Morning and Ominosity
21. Challenge/Big Wednesday Montage
22. Matt's Rite of Passage
23. Passing of the Mantle/Song of Three Friends (Only Good Times)

ここから未発表トラック&リミックス集
24. Big Wednesday Montage [Alternate Take]
25. Three Friends Theme[Instrumental]
26. Mexican Montage
27. Green Onions
28. Crumple Car [Extended Version] - Denny Aaberg
29. Drums Montage
30. Cosmic Indifference
31. Cemetery [Film Version]
32. Challenge [Alternate Take]
33. Trailer (Big Waves)

CIMG3192.gif



NICOLE WILLS・・・今さらだけど。 [CD]

1983年春・・・
なんとも爽やかで清々しいレコードが発売された。

NICOLE WILLSという女性シンガーである。
アルバムタイトルは「TELL ME」という。


初めて聴いたそのレコードは、当時(今でもそうだけど)カリフォルニアサウンドが
大好きだった私には何の違和感もなく、間もなく愛聴盤となった。

ニューヨークの北部ベアズヴィル産のサウンドなのに・・・・(笑)

インナースリーブも無く、歌詞すら印刷されていない。
アルバムに関する情報は裏ジャケットに印刷された僅かな手がかりだけ。

国内盤すら発売されず、輸入盤を紹介する「NMM」などにも詳しい情報は
紹介されていなかったと記憶している。

1995年に世界初のCD化。その後数回の廃盤〜再発を繰り返したが、今日まで
本国アメリカでは一度もCD化されず、アメリカ国内でも日本盤CDはコレクターズ
アイテムとなる。日本でも廃盤になる度にヤフオクなどでは高値で取引され、
私も何度か出品したことがあります(笑)

そんなNICOLE WILLSの唯一のアルバムが、2007年3月遂に紙ジャケで再登場。
それもJVCの高音質盤「K2 HD」での登場である。


収録曲は下記の通り。

・Fallin'
・Tell Me How To Make You Love Me
・Some Guys Have All The Luck
・It Wouldn't Have Made Any Difference
・Tenderness On The Block
・What You Do To Me
・ Isn't It Always Love
・ Maybe
・It Will Be Me
・Never Take The Place Of You

Bonus Tracks

・Hold Me Tight
・Beautiful Pictures Of You

今回初のボーナストラックとなる2曲は、初CD化の翌年にこれまた日本企画で
ポニーキャニオンより限定生産された「Bearsville Box Set」に収録済。

残念ながら今回そのボックスセットは紹介できないのですが、このセット内の
長門芳郎氏の詳しい解説で初めてNICOLE WILLSの過去を知ることになる。

彼女が在籍していた「Johnny Average Band」についてはまたの機会に紹介したい。

収録曲で印象的なナンバーを紹介すると・・・

「FALLIN'」
アルバムのオープニングを飾る傑作。
このアルバム「TELL ME」の印象はこの1曲目が全てのような気がします。
オリジナルはローレン・ウッドのセカンドアルバムに収録された案外地味な印象
ナンバーであったが、NICOLE WILLSのヴァージョンはキラキラとした彩りが
美しく、印象的なサックスのフレーズが心地よい。
彼女はどちらかと言うと美しい声ではない。
ハスキーでビブラートもあまり効かないタイプであるが、そんなヴォーカルを
補うようなバッキングの演奏力と、アレンジの素晴らしさが秀逸。
今回の「K2 HD」になってハッキリ聞こえるようになったのは、
オーリアンズのウィルス・ケリーによるコンガの音。
コンガがこんなに印象的な使われ方がしていたなんて・・・驚いた。

「Tenderness On The Block」
オリジナルはウォーレン・ジヴォン。78年発売の「エキサイタブル・ボーイ」。
ウォーレン・ジヴォンとジャクソン・ブラウンの共作である。
バックコーラスはジョン・ホールバンド。

「What You Do To Me」
ジョン・ホールバンドがオリジナルな軽快なナンバー。
オーリアンズ時代と同様にジョンのワイフ、ジョアンナとの共作。
ジョン・ホールバンドのオリジナルと違い、テンポアップされたアレンジは
アナログで言うトコロのB面1曲目。
同じくこの曲をB面1曲目に使っていたのが・・・・
そう、カール・ウイルソンのアルバム「ヤングブラッド」です。

カールのバージョンもいい。そして「ヤングブラッド」はいい。
これもいつか紹介するぞ。
脱線してしまった。

「Isn't It Always Love」
このアルバムの中で「FALLIN'」と同じくらい大きな意味を持つと勝手に
思っているのがこの「Isn't It Always Love」です。
2007-12-29のブログでも紹介したカーラ・ボノフの代表的なナンバー。

カーラ・ボノフ(紙ジャケット仕様)

カーラ・ボノフ(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: カーラ・ボノフ
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 発売日: 2007/07/18
  • メディア: CD

オリジナルのカーラのシンプルなアレンジとは違い、スケールの大きな
バラードとなっている。このアレンジもキラキラしています。
通常カヴァーはオリジナルにはかなわないって私は思っているのですが、
何故かこのNICOLE WILLSの全曲カヴァーアルバム「TELL ME」は
惹かれるところが多いんです。

このアルバムは本当にNICOLE WILLSが望んだアルバムなのだろうかと・・・
ふと思う。本来ベアズヴィルってこうしたジャンルのアルバム作るレーベルじゃ
無かったはずなのに・・・やっぱランディ・バンウォーマーのヒットの余波?

最初の方にも少し触れたJohnny Average Band時代、
まだ「ニキ・ウイルス」と名乗っていた頃のサウンドメイクはもう少し
尖っていたが、ベアズヴィルは彼女をリンダ・ロンシュタットや当時
全盛期であったニコレッタ・ラーソンのような「歌姫」にしたかったのでは?

ニキ・ウイルス時代の音源は前述の「Bearsville Box Set」の他、
2000年にUK盤で発売されたコレでも聴ける。

Bearsville Anthology

Bearsville Anthology

  • アーティスト: Various Artists
  • 出版社/メーカー: Essential
  • 発売日: 2000/08/21
  • メディア: CD


ジャケットのデザインが抜群である。


コレも市場から消えつつあります。
お持ちでない方はお早めに!








Clang Of The Yankee Reaper [CD]

実は・・・・

今回のVan Dyke Parksの紙ジャケ再発を知ったのは遼さんのブログ「DAYS OF MUSIC & MOVIES」の日記を読んで知った訳でして・・・いろんなコトにかまけて情報収集を怠っっていました(笑)

続きを読む


- | 次の10件

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。